華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「侑希ーっ!何がいい?やっぱハンバーグ?シャケもあるぜ?あとは―――」
李玖がなんだかいっぱいお弁当を見せてくる。
どれも…しっかりした食事、といった物だった。
見ているだけでお腹いっぱいだわ…。
そんなことを思っていると、隣から声がした。
「侑希。なんか食えよ。これぐらいなら食えるだろ?」
そう言って楓が差し出したのはツナサンドだった。
「ぇえ…。ありがとう。」
私は楓からサンドイッチを受け取り、その袋を開けた。
「侑希ちゃん、それだけ?」
嘉が聞いて来た。
「ぇえ。食欲ないから。」
嘉は心配そうな表情をしたけど、何も言わなかった。