華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
私は、ゆっくりとサンドイッチを食べた。
始めは喉を通らなかったけど、沢山噛んで、ゆっくりゆっくり飲み込むようにして食べた。
ほんとうに、前食べたのはいつだったのだろう?
食べ終わったあとは、三人と他愛もない話しをした。
ここにいるのは私達四人だけで、あの銀色の男ともう一人の幹部は、どこかへ行っているらしい。
楓は、私の隣に座っているけどさっきのように震えたりしなかった。
我慢しているのか、本当に震えがこないのかはわからないけど…。
キーンコーンカーンコーン
私達が話していると、昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。
「じゃあ、私は教室に戻るわね。」
朝から授業を受けていないし。
というか、昨日から?
「ダメ!侑希は帰ったらダメだ!」
ソファから立ち上がった私を李玖が止める。
なんで?
お昼ご飯も食べたし、沢山話もした。
なにより、昼休みは終わった。
「そうだね。まだ帰っちゃダメだよ。」
嘉も、にこにこしたまま言う。
「どうしてダメなの?」
私は、正当な返事がなければ帰ろうと思い、そう尋ねた。