華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
蓮士・結都
「もう少ししたら蓮たちが帰ってくるよ。」
嘉は私に笑いかけながら言った。
蓮?
ああ、たぶんあの銀色の総長さんだ。
私があの男を待たなければいけないの?
それは正当な理由にはならないわ。
私が帰ろうと思ったのが伝わったのか、李玖が慌てた様子で言った。
「侑希っ!ダメ!蓮がいない間に侑希が来てたっことがバレたら蓮が鬼になる!」
は?鬼?
なに言ってんだか。
しょせん人なのに。
それでも帰ろうとする私に、追い打ちをかけるように楓が言った。
「侑希…まだ、いてくれねぇ?」
うっ……
かっ…楓が可愛い………。
私って、楓に弱いのかしら?
上目遣いで私に言ってきた楓に、
「わかったわ……。」
と言ってしまった。