華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
まず前提として、桜華のメンバーは一人一人が強いらしい。
声をかけてもらうことしか桜華に入る術はなく、そうしているうちに強い人ばかりが集まった。
今回、一人の桜華のメンバーが朝、薄暗いうちに襲われたらしい。
最初に後ろから金属バットで殴られたらしい、と蓮士はたんたんと話す。
卑怯な奴らだ、と私の隣で楓が呟く。
そしてその襲われたという連絡は、その人からきたらしい。
桜華のメンバーってしっかりしてるな、と客観的に思った。
「俺達が駆け付けたとき、健吾‐ケンゴ‐は何人かを相手にやってた。
もう5人ぐらいは足元に転がってた。
…あいつ、なかなか強ぇよ。」
蓮士は表情を崩さずに言う。
「3人で残りを片付けた後、向こうの総長が来た。」
その言葉を聞いて、嘉がピクッと反応した。
「紅蛇‐クジャ‐の?槇原が?」
するどく、嘉が尋ねる。
「ああ、あいつだ。
健吾を襲ったのは幹部を呼び出すためだったらしい。」