華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「朝はさ、あんまり深く聞かなかったんだけど。
やっぱり聞いておかないといけないと思った。」
朝の…続き。
たしか朝は「何物?」って言われたんだっけ。
嘉の目を見ると、思っていたよりも真剣で、興味本位で聞いているんじゃないことが分かった。
でも、だからと言って教えるつもりはない。
隠し通す。
「言っとくけど、何でも答えたりしないから。」
そう、無表情で言った私を見て、嘉はクスリと笑った。
「そっかあ。残念。でも分かったよ。
じゃあ、一つ目ね。」
そう言ってから、嘉は教室にあるイスに座った。
それを見て、私も座った。