華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「ゆ…侑希ちゃん…」
「どうしたの?次は何が聞きたい?」
嘉がそんなことを言おうとしたんじゃないのは分かった。
だけど今は止まらない。
「いいわよ。何でも聞いて。答えないけど。」
私はきゃはは、と笑ってみせた。
私…
こんなに不安定だったのか。
「本名は?」
突然、嘉が言った。
俯いて。
「教えない。知ってるのは一人だけなの。」
昨日、なせが蓮士が呟いたけど。
知ってるわけじゃないんだろう。
だいたい、この人たちは私のことを知るべきではない。