月光御伽



物凄く嬉しそうな顔をした葉月に
少し鳥肌がたった。
こいつ普通じゃない。

「その瞳。」


葉月の発した単語に目を見開く。
『なんで…』
誰にも知られたくなくて
中学から遠いこの高校にした。
中学から来たのは私と匠だけ。
匠が言うわけがない…。


「私、顔広いの。あんたと同じ中学の子に聞いたのよ。」


『─…うそ』


「その目、よく見せなよ。」



目の前に絶望が広がった。



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