月光御伽


冷静になってやっと匠の心配ができた。

『匠、大丈夫?』
「こんなんなんともねーよ。…悪いな。」


怪我してるのは自分なのに

本当に、お人好しなんだから。
匠が居るから、まだ頑張れるんだ。
兄弟の様なこの関係が堪らなく
心地よかった。



「水戸黄門見てくからな。茶ぐらい出せよな。」

私が鍵を開けた玄関の扉を
一気に引っ張り部屋に入る匠。



『前言撤回。』



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