「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「茜…?どしたの?」

なんで泣いてるの?
ここどこ?

なんだろう?頭が鉛みたいに重いや…。
「沙織…、あんた…覚えてない…の?」

強張った表情で聞く茜。なにを覚えてないんだろう?

なにかあったのかな…?

って…それより…ここは、あたしの部屋だよね?

見慣れた壁紙に使い慣れたベッドに枕。

うん。間違いない。
あたしの部屋だ。

なら、なんで?茜がいるの?

きょう…茜と遊ぶ約束してたかな?


重い頭をもたげながら考えた。


…うぅん。きょうは確か別の用事があったはず…。

もっと…別の…



───あっ…思い出した。そうだ…早咲さんと一緒に食事したんだ。

そして…そのあと…そのあと…あっ…!!


フラッシュバックで蘇ってくる恐怖。
気づいたら

「イヤァーー!!」

叫んでいた…。


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