「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「ここの焼き鳥美味しいんですよぅ」

そこは普段からよく行く居酒屋で、仕事終わりに1人でフラリと寄って適当に何か食べて帰る。


こんな話をしたら親父みたいって言われるけど、接客の仕事をした後も誰かに気を使いながらお酒を飲むのは好きじゃないから。


昔から変に干渉されるのが嫌いだったあたしにとって


女1人でも平気に飲める雰囲気作りをしてくれてるここの居酒屋はお気に入りの場所なんだ。



「ここ、よく来るの?」


「はい。仕事終わりにチョクチョク…」

「友達と来るの?」

「いえ、1人で…って、女として駄目ですか?やっぱり親父っぽく見えるとか…」

ちょっと不安になって聞いてみた。

「いいんじゃない。ゆっくり寛げそうだし。それに1人でも平気に来れる子、俺、結構好きだよ」
サラリと言われたその言葉に、深い意味はないと分かっていても、そんな風に言われたら嬉しくないはずがない。


「本当ですか?良かった。気に入ってもらえて」


自分でも驚くぐらい笑顔で言ってた。


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