「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
見上げた顔は、職場で見る爽やかな顔とは違っていて、どこか謎めいて、それでいて壊れてしまいそうなガラスみたいな瞳。
その瞳を吸い込まれるように見つめた。
「ちゃんと歩ける?」
ゆっくりと体のバランスを崩さないようにしてくれると、ソッとあたしから離れた。
その腕を掴んだのはきっと、ぬくもりが欲しかったから。
隙間風ばかり吹いていた心に、あったかいぬくもりが欲しかったから…。
「早咲さん。送ってて」
上目目線で、すがるように言った。
そんなあたしをジッと見つめた早咲さん。
「分かった」
そうポツリと呟いてタクシーを止めた。