「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

2人で並んで座ったタクシーの中。

互いに何も話さない。

時々触れる肩に、全ての神経が集中するのを感じた。


程なく着いた一人暮らしのアパートの一室。


玄関の鍵を開けて、早咲さんに「どうぞ…」と言った。


男と女。この部屋の中でやることは分かってるでしょう?


そう言ってるような瞳で彼を見つめた。


けど…




「ここまで来たらもう大丈夫だよな」


早咲さんは、そう言うと部屋の中に入らないで何もしないまま帰っていった。



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