「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
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「好きな人…いたんだ早咲さん…」
沙織の部屋で戸惑った表情であたしの話を聞く彼女の声が小さく響いた。
「あっ、ごめん!知りたくないよね?あんな奴のこと…」
「うぅん。知りたい…」
「沙織?」
俯いて唇キュッと噛み締める沙織の横顔は何かと必死に戦っているようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「あたし…知りたいんだ…あたしね…早咲さんが、何も理由なく…あんなこと…するなんて思えないから…」
「沙織…」
「茜も、そう思ってるんでしょう?だから…あたしに、早咲さんとの関係も話してくれたんでしょう?」
大丈夫だからとキュッと摘むんだ唇。微かに震えている肩。
彼女なりに何かを受け止めようとしているように思えて、あたしは思わず沙織を抱きしめた。
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