「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

誰…?誰とも会いたくない…。俺のことなんか放っておいてくれ…。



床に寝転がったまま膝を抱え、この世界の全てから遮断するように自分の殻に閉じこもっていた俺の頭上で



「早咲…」



一番聞きたくなかった人の声が、俺の名前を静かに呼んだ。




「……なんで…いるんですか…?赤坂さん…」




顔を見ないで言った。



「不用心だな。鍵…あいてたぞ」



怖いぐらいに冷静な声で話しかけてくる赤坂さん。



「だからって勝手に入って来ないでくださいよ…」



背を向けて呟く俺に「話がある」と静かな口調で言う赤坂さんに「俺はないです」と応えた。




話なんて…何もない。


「どうせ俺を殴りにきたんでしょう?なら殴ればいいじゃないですか。こんな俺…殴り殺しても…誰も文句言いませんよ…」



俺なんて…生きてる価値ないんですから…。




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