「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「だったら…どうしてですか…?どうして?」
涙でグチャグチャになった田崎さんの顔に、触れたくて伸ばした手を止めた。
なんで…か。
「ごめん…。本当は待つつもりだったんだ…。君が、俺に振り向いてくれること…」
そう…待つつもりだった。
「じゃあ、どうして…?」
「どうして…だよ。か…。それは…赤坂さんが…」
君を選んだからだと言おうとした言葉を飲み込んで、赤坂さんを見た。
俺は心が狭い人間だから。これ以上…悲しい想いをするのはごめんだからな…。
「とにかく。俺を憎んでくれ。許さなくていい。軽蔑して構わない。君になら…どんな罰も受けるよ」
そう呟いて静かに笑った。窓には三日月が、うっすらと輝いていた。