「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
誰かを憎むとか、恨むとか…そんなことはしたくない。
それに…あたしの目の前で懺悔する早咲さんを憎むことなど…あたしには…できない…。
誰かを恨んで生きるよりも、全てを忘れてしまった方が何倍もいい。
幸い、あたしにはあの時の記憶がない。
だから…
「忘れましょう」
そう言って微笑むあたしの肩を、茜が静かに抱きしめた。
「これで終わりにしよう…。ね…茜…」
「沙織…うん…うん」
いつの間にか泣いていた茜の肩にコツンと顎を載せると、ポトリと涙がこぼれ落ちた。