「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「いつの間に…こんなに料理が上手になったの?」

あの時は、確か作るより頼んだ方が美味しいって茜が言って親子丼とかを出前で頼んだ記憶があるのに…。

「うん?あぁ…まぁね…この何ヶ月の間に…かな…」



そう応えて微かに嬉しそうに微笑む茜の表情がどこか悲しげに思えた。



何ヶ月かでっていうけど、あたしが茜の部屋に泊まったのは確か5月のはず…。


あの頃は全く料理に興味がなかった茜が急に料理に芽生えて短期間で上手になるなんて…。


思い当たることは、1つしかなかった。


「もしかして…はやさき…さんに…?」


早咲さんの名前を口にした途端、茜の唇がキュッと固く結ばれて両端の口角あげたのが視界に入った。



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