「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
車の窓から見える流れていく景色は、確実にあたしが住むアパートへと向かっている。
このまま、何も話さないままアパートへと着いてしまうのだろうか?
その前に…あたしがこうして赤坂さんの車に乗ってアパートに送ってもらっていることを
赤坂さんの彼女さんは知っているのだろうか?
そもそも、彼女さんがいる赤坂さんに結果こうして甘えてしまっているあたしって…ヒドイよね?
彼女さんの立場になると…イヤ…だよね…。
赤坂さんは優しいから、あたしに親切にしてくれているだけなんだ。
さっきかけてくれた優しい言葉も
こうしてあたしをアパートまで送ってくれることも…
それはただ…あたしが赤坂さんの部下で…あんなことがあったあたしを赤坂さんが可哀相だと思っただけ…。
それ以上の気持ちなんて赤坂さんにあるはずがない…。
期待なんて…しちゃいけないんだ…。
そう思うと、やはり胸が苦しくて鼻の奥がツンと痛んだ。