「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
胸が余りにも痛んで…俯いて唇をつむんだ。
悲しみが襲いかかって、不覚にも涙を流してしまいそうになった時だった。
アパートまで後数100メートルで着きそうだという距離で
「田崎さん」
不意に名前を呼ばれて驚き息を飲み込んだ。
「な、なんですか?」
思わず言葉を詰まらせた。
ダメだ…。赤坂さんが変に思ってしまう…。
普通にしなきゃ。
できるだけ精一杯の笑顔で「どうしたんですか?」と赤坂さんに微笑んだ。
すると、突然進行を変えて脇道に反れると見えてきた広場に車を止めた。
……どうしたんだろう?
不思議に思い、赤坂さんの顔を少しだけ覗いてみたら
ずっと真正面を向いていた赤坂さんの瞳があたしを捕らえて
ゆっくりと顔の向きをこちらに変えると、真っ直ぐな瞳であたしを見つめた。