「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

途端に激しく刻み始める鼓動。

言いようもない胸の苦しみ。


あたしの頬に赤坂さんの手のひらが触れている。


それだけで胸が心がはじけてしまいそうだ。



どうして赤坂さんはあたしの頬に触れるの?



どうして…そんな切なそうな瞳であたしを見つめるの?



頭の中が混乱してどうにかなりそうだよー…。



「やめてください…」



気づいたら、そう口走っていた。



本当はそうじゃないのに…。


もっと触れていて欲しかったのに…。


だけど素直に自分の気持ちを伝えられない。


伝えることなんて…できない。


そう思って赤坂さんから顔を背けようとした時



赤坂さんの大きな手のひらがそれを許さなかった。



驚いて「やめてください!」叫んでしまった。


嫌われる。そう思った…。


なのに…。



「好きだよー…」



それは余りにも刹那に胸に響いてきた言葉。


いま…なんて言ったの…?



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