「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
赤坂さんは、あたしの口元からゆっくりと指先を放した。
離れた口元が悲しいくらいに寂しい。
体の向きを変えて運転席に深々に座り直すと大きく息を吸って吐く赤坂さん。
もう一度、あたしの顔を真っ直ぐ見つめると
「俺さー…気づいたら好きになってたんだ…田崎さんのことを」
「えっ…?」
信じられなかった…。いま、自分の目の前で起こっているこの現実を信じられなかった。
「うそ…」
「嘘じゃないよ」
そうハッキリと告げられる言葉。
「だって…赤坂さんには…あんなにきれいな彼女さんが…」
「確かに…。俺には、彼女がいた。けど…気づいたら…彼女以上に…君のことを好きになっていたんだ…。
苦しいくらいに好きになっていた…」