「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

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それは静寂な空間に静かに響いた。


「ちょっと、待っててね」



そう言ってジャケットのポケットから鍵を取り出す赤坂さん。


ガチャンー…


部屋の鍵を開ける音に鼓動が高鳴る。


ゆっくりと開かれた扉。



それはずっと封印してきた赤坂さんへの想いのように感じた。



彼女がいた彼を好きになって


ずっと封じ込めてきた想い。



好きでー…泣きたいぐらい彼が好きでー…



どうすることもできないまま、居場所を失ってきたあたしの想い。



心の奥深くに開かない鍵をかけていた想いが



赤坂さんの手によって開けられたように感じたんだ。



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