「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

ごめんー…沙織…。沙織を傷つけた、この手が憎いのにー…憎くて仕方ないのにー…。



「あたしを見てよー…和利…あたし…あんたが好きなのー…お願い…あたしを見てー…もう…過去に縛われないであたしをー…抱いてよー…」




あたしには、和利が必要なのー…。もう気づかぬうちに和利は、あたしの体の一部になっていた。


「和利とー…ヒック…和利とはなれることなんてー…ヒック…できないよ!!」


初めて泣いた。今までどんなことがあっても人前で泣かなかったのに。



涙なんてー…見せたことなかったのに…。



泣きながらキスをした。抱きしめて和利を求めた。


「あかねー…」



和利があたしの名前を呼んだ。それだけで心の奥が熱くなる。


「もっと呼んでー…あたしだけを見てー…」



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