「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
第4章
愛されたい。
【沙織side】
それはとても言葉では言い表せないぐらいの幸福なぬくもりで
カーテンの隙間から射し込む光が眩しくて、閉じていた瞼を開けると
「あっー…」
一番最初に見えたものが、ずっと恋い焦がれていた男性の寝顔だというこの現状に、もしかしたら夢かもしれないと
何度も手の甲で瞼をこすってみた。
「あー…」
変わることのない目の前の光景に、胸の奥がジンとして目頭が熱くなっていくのを感じた。
夢じゃー…なかったんだ…。
あたしの体をスッポリと包み込んで眠っている彼のサラリとした前髪に触れたくて、ゆっくりと手を伸ばした。