「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
しまったと慌てて拾おうとしたら、目の前にスゥーと細く綺麗な指先が見えた。
きちんと整えられた爪先には、控えめに塗られた薄く淡いピンクのマニキュア。
誰だ…?と思いその人の顔を見た。
「田崎…さん?」
そこにいたのは、変わらず頬を赤く染めた田崎さんの姿。
ただ一つ違うのは、少し潤んで澄んだ瞳が真っ直ぐ俺の瞳を見ていたこと。
トクン…。
なん…だ?この感覚…。
「これ…どうぞ」
控えめに微笑むと、俺に畳んだセーターを手渡した。