「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「あ、ありがとう」
それを受け取る時、僅かに左手の薬指がふれた。
「あっ…」
ポツリと思わず呟いて彼女の顔を見ると途端にさっきよりも真っ赤に染まる彼女の頬。
気のせいか、耳まで赤い気がする。
思わずジッと見てしまう俺から「お、お疲れ様です」と逃げるように立ち去る彼女。
その後ろ姿をボーっと見つめた。
な、なんだ?あの反応。あんなに顔が真っ赤になるなんて…。
それに…初めて目が合った気がする。
しかもなんだ?
ただ目が合って指先が触れただけで、なんで…なんでこんなに胸がざわつくんだ?
小さくなっていく彼女の背中を見つめたまま、触れた左手の薬指に残る彼女の綺麗で滑らかな肌の感触を感じていた。