「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「あっ、早咲さん。また赤坂さんから怒られてるんですか?」
プッと笑いをこらえる事なく笑みをこぼしながら、俺を見ている茜。
仕事場では、徹底して俺のことを“早咲さん” と呼ぶが、2人の時は“和利”から“カズくん”と呼ぶ。
どうして“カズくん”と呼ぶのか聞いたら
「だって、年上なのにすぐ泣くから子供みたいだもん」
───正直、頭にきたが、事実そうだったから言い返せない。
しかも、初めは嫌だったその呼び名も、今は妙に心地いい。
だからいって、茜と付き合っているかといえば、そうじゃないのが現状で
「あたし達。友達から始めよう」
あの日、俺の部屋で子供みたいに泣いた俺を抱きしめながら、そう言った茜。
それが茜の望みなら、その望みに応えたい。
茜と真正面から向き合おう。
そして、いつか許されるなら…茜を愛したい。
そう想うんだ。