「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

斉藤さんに背を向けて沙織を追いかけようとする俺に


「みんなに言いますよ!!」


斉藤さんの言葉が聞こえてきた。



ゆっくりと振り返ると、体を小刻みに震わせ唇を噛みしめている斉藤さん。



「みんなに知れたら、ここで働きにくくなるんじゃないですか?」


確かに、社内恋愛を好ましく思ってない上司や社員がいることは事実で、それがあるから沙織との交際を秘密にしてきた俺だったが…。



「言いたかったら言えばいいじゃないか」



「えっ…?」



「言いたかったら言えばいい。たとえ社員全員から反対されても、この会社を辞めることになっても、俺は沙織とは別れない。

そんなことで、俺と沙織は離せないよ」


斉藤さんから視線を逸らさないでハッキリと伝えた想い。


俺の沙織への想いは誰にも壊せないぐらい深く強い想いなんだ。


たとえ邪魔されても、俺は沙織から離れない。絶対に離さない。



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