「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「田崎さん、大丈夫?」
不意に声をかけられて振り返ると三年先輩の早咲さんが、具合悪そうだよと顔を覗き込んできた。
「だ、大丈夫です」
突然目の前に現れた、その顔の距離の近さに、思わず体を後ろに逸らしながら応えた。
「そう?ならいいけど」
そう言ってニカッと微笑むと、いつの間にか空いていたあたしの隣に座りビールを飲み始めた早咲さん。
早咲さんとは、何度か仕事中に話したことあるけど、それはどれも仕事の話で…。
「なんか盛り上がってるねぇー」
「そうですね」
こんな風に近くで仕事以外の話をしたことはなく、何を話していいか分からなくて普通に話しかけてくる早咲さんの話に頷いてばかりいた。