「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「赤坂さんがよくても、田崎さんはどうなんですか!?」
斉藤さんの言葉に胸が痛む。
確かに、俺と付き合っていることが周りに知れて、彼女が何か言われたり辛い想いをすることは避けたい。
そのことがあるから、俺は極力職場では沙織と距離を置いてきた。
実際、社内恋愛がバレて辛い想いをした女性を俺はこれまで何人か見てきたんだ。
みんな人それぞれ考え方が違う。
広大な敷地内に建つショッピングモール。
数百人いる従業員。
社内恋愛に賛成する者もいれば、批判し好奇な視線を送る者もいる。
その全てに目を行き届けることは不可能に近い。
俺が知らないところで沙織がもしも辛い想いをしたら…。
そう想うだけでたまらない。
辛い想いをさせたくなかった。
彼女が傷つかないように。彼女が嫌な想いをしないように。
ただそれだけを考えていた。