「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
けど、今はそんな事を考えている場合じゃない。
あの涙を溜めた瞳。きっと泣いてるに違いない。
早く彼女のそばに行って彼女を抱きしめたい。
涙を拭いたいよ…。
駆け出す俺の背中に
「本当にみんなに言いますよ!!立場が悪くなってもいいんですか!?」
投げかける斉藤さんの言葉。
立ち止まり振り返った。
「言っただろう?言いたかったら言えばいいって。俺のことはなんて言われても構わない。
けど、沙織が傷つくような事を言ったら、俺は君を許さないから」
悲しげに揺れた斉藤さんの瞳から視線を逸らして沙織を追った。
走り回って見つけた沙織の腕を掴んで抱きしめると腕の中で肩を震わせて泣いてる彼女。
「ごめん…ごめんな…」
もう君を泣かせたりはしない。
だからもう、悲しまないで…。