「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

窓の外で響く静かな雨音に目が覚めると、あったかい大きな手のひらが、あたしの頬を撫でていた。


「あかさかさん…」


「ごめん。起こしちゃったかな」



優しい微笑みに胸の奥がキュンと鳴る。


頬を髪を撫でるその指が愛おしくて、思わず自分の指を絡めた。



「いつから起きてたの?」


「うん?さっき」


「起こしてくれればよかったのに…」

「なんで?」


「なんでって…寝顔見られたなんて、恥ずかしい…」



自分で言ったあと、余計に恥ずかしさが増してきてシーツで顔を隠そうとすると


「ダメ。隠させない」


そう言って彼の指が隠すのを阻んだ。


< 263 / 372 >

この作品をシェア

pagetop