「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「茜…?」


どうしたんだ?そんなに慌ててと喫煙所のドアを開けて出てくる和利の右手を両手でガシッと掴んだ。


後方で赤坂さんや、数人の社員が何事だと見ていたけど、そんなこともどうでもよかった。



「沖縄に転勤って…本当なの?」



あたしの顔を見つめる和利の両瞳が切なげに大きく見開き揺れている。




「本当…なのね…」



あたしの言葉に俯き、何も言わず静かに頷く和利。



「そう…なんだ…」



和利の右手から、ゆっくりと手を離した…。




< 276 / 372 >

この作品をシェア

pagetop