「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
【茜side】
嘘だと思った。
もしかしたら夢かもしれないって思った。
けど…
「愛している」
そう言ってあたしを抱きしめる和利の腕のぬくもりは温かくて、これは夢じゃないんだと知らせるように
トクントクンと鼓動が小刻みに刻み続ける。
あたしを抱きしめる和利の鼓動も。あたしと同じ、トクントクンと刻み続ける音がするよ。
あぁ…これは現実なんだ…。
そう思えた瞬間、体中の力が全部抜けていくのを感じた。
それからのことは、余りよく覚えていない。
気づいたら…
「ここ…どこ…?」
見覚えある真っ白な天井に、最愛の人の香り。
「気づいた?」
優しい声色に視線を向けると
「かずとし…」
やっぱり…あなただったんだ…。
あたしの頬に軽くキスをするあなたが愛おしくて
「和利!」
あなたの胸に飛び込んで、しがみつき「愛してる…あたしも、愛しているよ…」と消えない言霊に想いを乗せた。