「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
第5章
別れ
【誠side】
誰か…これが夢だと言ってほしい…。
早咲達が沖縄に旅立ち、慌ただしい日々が続いたあと、ようやく訪れた久しぶりの休日。
2人で夜桜を見に桜の名所で有名な公園で、俺は沙織にプロポーズをするつもりでいた。
スーツのポケットには、先日買ったばかりのシルバーのダイヤの指輪。
「俺と結婚してくれないか」
そう言うつもりでいたんだ。
それなのに…なぜ?
「もう一度聞く。どうして…別れてくれって…言うんだよ?」
うろたえているせいか情けないぐらいに、声が震える。
そんな俺とは正反対に沙織は、真っ直ぐ俺の瞳を見つめたまま
「お願い…別れてください」
そう繰り返すのだけ…。