「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

どうしようぉ…体に力が入らないよ…。


フラつき体のバランスを崩した瞬間ーー…


「田崎さん!?」



中村さんの悲鳴にも似た声が遠のく意識の中で聞こえたと同時に



「沙織!?大丈夫か!?」



どこかで聞いたことのある声が響いていた。



───────
────


朦朧とする意識のなかゆっくりと目を開けると


見慣れない天井と鼻につく消毒液の匂い。



この匂い…そっか…あたし…倒れたん…だっけ?


重たい頭をもたげ、瞳を動かして辺りをキョロキョロ見回すと



「えっ…?なんで…?ここにいるの?」


懐かしい人の顔が視界に飛び込み、両目を見開いた。


「大丈夫か?沙織」

「カズ…くん…?」


それは、初めて付き合った元彼氏のカズくんだった。



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