「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「赤坂さん…!?」
どうして俺がここにいるのか驚いた表情で俺を見る2人。
しかも薄暗いライトの灯りに照らされる田崎さんの瞳にはうっすらと涙が滲んでる。
なにがあった!?
気になって仕方ない俺に
「どうしたんですか?赤坂さん」
そう聞いてくる早咲の瞳は、動揺を隠せないのかユラユラと左右に揺れていた。
「えっ?あぁ、店長が呼んでたぞ」
とっさに出た言葉。もちろん苦し紛れの嘘で店長は早咲を呼んでたりはしない。だが、あの店長はもはや出来上がってる状態だ。
突然早咲が何か言って来ても何も気にすることなく早咲を巻き込んで飲み続けるだろう。
早咲には悪いが…このまま嘘を突き通させもらう。
「仕事の話みたいだぞ。早く行って来い。店長探してたぞ」
顔色を崩さずに言った俺の言葉に早咲は「マジですか…」と肩をガクリと落とすと「じゃあ…また」と田崎さんに告げて座敷へと小走りで向かった。