「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
【沙織side】
誠さんを傷つけてしまった…。もう、苦しめたくないと思っていたのに…。
どうして…?あたしは、いつも彼を苦しめ…傷つけてばかりだー…。
誠さんがいなくなった空間に、ぬくもりなんて何もない。
体全身に広がる喪失感と寒さ。膝を抱き寄せ自分の体を抱きしめた。
「沙織…大丈夫か?」
カズくんの言葉に小さく頷いた。
「大丈夫。ごめんね…。なんかー…巻き込んじゃって…嘘…つかせちゃったね…」
「いいって。何かあったのは見て分かったし」
気にするなと明るい笑顔を見せた。
「うん。ごめん…」
そう言って俯くあたしの体を、懐かしいぬくもりが包み込んだ。