「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「ちょっ!?やめて!!」
無意識にカズくんの体を押しのけた。誠さん以外の人から抱きしめられることが凄く嫌でたまらなかった。
あからさまに拒絶するあたしにカズくんはフッと悲しげに微笑むと
「冗談だよ。本気にするな」と呟くと、あたしに背を向けて窓に近づき外の光景を眺め始めた。
「…ごめんなさいー…」
「謝んなよ。俺だって、今更お前と付き合いたいなんて言える立場じゃないってことぐらい分かってるよ」
カズくんが、少しだけ開けた窓からは心地よい風が吹き込み、カズくんのサラリとした髪を靡かせた。