「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
昔と変わらない、その横顔は懐かしく…誠さんを失ってしまった喪失感からか、過去の辛かった思い出さえ打ち消して、カズくんになきついてしまいそうだった。
「沙織…」
「なに?」
そう聞くと、ゆっくりと向きを変えてあたしの顔を見るカズくん。
「あの時さー…傷つけてー…悪かったなー…」
あの時…。
それはきっと振られた時のこと。
“お前にはそそられない”
そんな言葉を残してあたしを置いて部屋を飛び出したカズくん。
その言葉が原因であたしは恋に…男の人に臆病になっていた。