「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
自分のお腹にソッと両手で触れてみる。
赤ちゃんがいる。
そう思うと、子宮を中心に体全体にじんわりと広がるあったかいものが心の奥に染み込んできた。
この子は、あたしの赤ちゃんなんだ…。
あたしのー…。
だけどー…父親はー…。
できれば、誠さんだと願いたい。この子の父親は誠さんだとー…。
けど…あの時の記憶がないとしても、体の奥に残っていた違和感は確かにあった。
だとしても、早咲さんに、あの時の状況を聞くこともできない。
茜とやっと幸せになれたんだ。
それに、もう忘れて言ったのはあたし。
2人に、過去のことで苦しんでほしくない。
誠さんにも苦しんでほしくない。
優しい誠さんのことだから…もしかしたらお腹の中の赤ちゃんごとあたしを受け入れてくれるかもしれない。
だけど…早咲さんが父親じゃないなんて100%言えないのに、誠さんに甘えることなんて…できるはずがない。
もうー…彼に迷惑をかけたくない。
あたしは、1人でこの子を産むと決めたから。
だからー…バイバイ。誠さん…。