「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
誠さん…。
心の中で彼の名前を呼んだ。
「………」
「………」
互いに言葉を交わすこともなく、互いの顔を見てただ立ち尽くしたままのあたし達。
久しぶりに真正面から見た誠さんの顔は目が虚ろで頬がこけて、いつも綺麗にセットされていた髪は乱れ、無精髭さえないもののその表情は疲れ果て生気が抜けたようー…。
いつも身だしなみに気を使い、イキイキとした表情で仕事をこなしていた誠さんを、あたしはー…ここまで苦しめてしまったのー…?
胸の奥に広がる罪悪感と、どうすることもできない自分に心がギュッと鷲掴みされたようで声にならない悲鳴を上げた。