「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

【誠side】


沙織から別れを告げられて何日過ぎたのか分からない。


出口を失った暗闇の世界は、光も誰かの声も届かない程の空虚な世界で



ただ毎朝起きて仕事をして寝るだけの、まるで感情のないロボットのような日々が続いた。



“どうしてー…こんなことになったのだろう?”


夜桜の下で沙織から別れを告げられた日は、まだ沙織の心を取り戻せるんじゃないかと思っていた。



今はおそらく、想うように2人だけの時間を過ごせなくて、沙織が不安定になってだけなのかもしれない。


もう少し時が過ぎれば、再び愛し合っていた頃の2人に戻れるんじゃないかと


そう信じていた。



なのにー…。現実は余りにも残酷過ぎて、沙織の隣には、俺じゃない他の男がいた。


俺じゃないー…他の男がー…。




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