「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「なんか悔しいな。あたしの嘘そんなにすぐにバレるなんて」
「まぁな。っていっても、すぐには分からなかったけどな」
そう言って苦笑いするカズくんに「そう?」とフフっと笑った。
程なくしてカズくんが運転する車はあたしのアパートの前に止まった。
「送ってくれてありがとう」
そう言って車から降りようとするあたしに「沙織」とあたしの名前を呼んだ。
「なに?」
車のドアノブに伸ばしかけた手を膝の上に置いてカズくんの顔を見た。
「お前…いつまで嘘つくつもりだ?」
「…嘘って…誰に?」
「決まってるだろう?赤坂さんにだよ」
彼の名前を聞いた瞬間、心臓は驚くほど正直でピクンと鼓動を波打たせた。