「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
その突然の出来事に困惑して反射的に早咲さんを突き飛ばした。
あっ…!と我に返って早咲さんの顔を見上げたら悲しげな瞳が上下左右に揺れていた。
いつも明るくて優しくて、何かあればすぐに助けてくれる…素敵な先輩…。
そう、あたしにとって早咲さんは素敵な“先輩”でしかないのだ。
その“先輩”である早咲さんからの告白に、あたしは困惑して動揺して拒絶した…。
「ごめんなさい…あたし…」
なんて言えばいいのか言葉が見つからなかった。
早咲さんもまた、さっきまで悲しげに揺れていた瞳を隠すように、目を細めて気にするなよっと笑った。
だけど、その笑顔が本当の笑顔じゃないことが分かってしまって余計に胸が締め付けられて涙が滲んでいた。
苦しいのは、早咲さんの方なのに…。
なんであたしが涙浮かべてるのよ…。バカ…。
赤坂さんが来たのは、そのすぐあとだった…。