「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「こんなところで会うなんて偶然ね」
嬉しいわと、その妖艶な微笑みを崩さないまま、一歩ずつ近づいてくる理沙。
理沙は、俺より3歳年下の25歳で、隣街のビル街のオフィスでOLとして働いている。
「理沙こそ…どうしたんだ?」
「うん。会社の人とね」
「そっかぁ…」
理沙と会うのはどれくらいぶりだろうか?いつ会ったのかさえ思い出せない…。
正月もなにかしら仕事に追われてメールをしただけ…。
理沙は理沙で、確か女友達と旅行に行くって言ってたはず…。
「もう帰ってきていたのか?」
「ヒドイ。もう帰ってきてたのかって。3日前に帰って来るってメールしたじゃない」
ヒドイ彼氏ねと綺麗な眉をピクッと釣り上げると、理沙の視線は俺の横にいる田崎さんを捕らえていた。
しかも、俺はまだ田崎さんの腕を掴んでいたまま…。
シマッタ!!とパッと田崎さんの腕から手を離した。
理沙…変に思ったかもしれない。
そう不安を抱えたまま理沙を見ると
「そちらの方は?」
紹介してと明るく微笑んでいた。