「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
ハァ…と力無くこぼれた溜め息。更衣室のロッカーをパタンと開けた。
「おはよう。沙織」
更衣室のドアを開けて明るい笑顔で入ってきた茜に「おはよう」と挨拶。
「なに?沙織。あんたまだ悩んでんの?」
赤坂さんのことと言いたそうな茜の視線に「まぁね…」と力無く呟いた。
「そんなにあんたが悩んでも仕方ないでしょう?
赤坂さんと彼女さんの事は、2人の問題なんだから
いくら沙織が考えてもどうにかなるもんじゃないよ」
「それは分かってるんだけどさ…」
「それに…もし、2人の仲がこじれてしまったのなら、それは沙織にとってチャンスなんじゃないの?」
隣のロッカーを開けて、そうじゃない?と首を傾げる茜。
「そんなこと!!…ないよ…」
「そう?だって赤坂さんが彼女さんと別れたら赤坂さんフリーになるわけでしょう?」
チャンスじゃないと言い切る茜の言葉に複雑な気持ちが波寄せる。