「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
【誠side】
どうして、今まで気づかなかったんだろう?
彼女の笑顔が、こんなに自分の気持ちを穏やかにしてくれることを。
そんな彼女を好きになっていた自分の気持ちに、どうしてもっと早く気づけなかったのだろう?
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「あの…これから用事があるので、これで失礼します」
まるで穏やかな春のような微笑みを残した後、そう言ってペコリ頭を下げて去っていく彼女を
俺は引き止めることができなかった。
本当は引き止めたかった。
「早咲のところに行くな!!」
そう叫びたかった。
だけど…俺はまだ理沙の彼氏だ。
こんな俺が彼女に何かを言うことなんてできない。
それに、こんな状態で彼女に気持ちを伝えても彼女はきっと戸惑うだろう。
中途半端な状態で彼女に気持ちを伝えることは、彼女を苦しめることになるだけ…。