「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「早かったな…」
はじめに出た言葉はそんな言葉。他愛のない台詞を吐きながら席に座ると
覚えていてくれたのか「いつものですね」と親しみを込めた笑みで聞くマスターに「あぁ」と作り笑いを向けた。
真正面に置いてある理沙のティーカップには半分は飲まれたストレートティが揺れていた。
「───いつ…来たのか…?」
罪悪感。そんな言葉がピッタリな心を誤魔化すように、少し浮ついた口調で話しかける俺に
「うん。5分ぐらい前かな…」
そう答えながらフッと寂しげに笑った理沙。
空気が…重い。息が詰まりそうだ…。