「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
しばらくして“いつもの”のモカ珈琲が目の前に置かれて、それに手を伸ばしてゴクリと飲み込む。
普段は美味しくて好きな味。今はそんな味さえも堪能できない自分がいた。
どう切り出そう…?
頭の中はそればかりだ。
ゆっくりと息を吐いては深く息を吸い込む。
頭に浮かぶ言葉を選んで見ても、どれも理沙を傷つける言葉ばかり。
仕方ない。もう恨まれても貶されてもいい。
どうせなら滅茶苦茶嫌われた方がいい。
そう思って最悪な言葉を口にしようとした時だった。
「誠…あたしと別れて…」
「えっ…?」
予想外の理沙の言葉に考えていた言葉が全て弾けて消えた。